子どもの過蓋咬合の矯正治療
正常な前歯の咬み合わせの深さ(重なり)は、上の歯が下の歯に約2~3ミリ被さった状態です。
これよりも深く被さっている状態を「過蓋咬合(かがいこうごう)」と呼びます。
上の前歯が下の前歯に深く被さることで、口元の状態(外見)や歯ぐきの状態(外見)にも影響を与え、ガミースマイルを呈することもあります。下の前歯が上の前歯の内側の歯ぐきに当たることで、粘膜を傷つける場合もあります。過蓋咬合は、上下顎や歯列弓の前後的なズレにより起きる場合も多く、単独だけでなく出っ歯などの症状として起きる場合もあります。
過蓋咬合は、早期矯正治療でお子様の成長を利用して、その症状を改善することにより、永久歯列における歯牙の正しい上下関係や口元の状態を獲得することを目指して行います。ですから、顎の成長している時期に治療をスタートする方が良い結果が得られる場合も多くありますので、気になる場合には、まず一度専門医に診てもらうことが大切です。
子どもの過蓋咬合の矯正治療の時期
過蓋咬合の治療は、咬み合わせの高さが決まる6歳前後において症状が認められる場合には、検査の結果を見て早期に治療をスタートした方がよいと思われます。
過蓋咬合の原因は?
上下の顎や上下の歯列の垂直あるいは水平(前後)関係の異常や歯牙個々の位置異常などが考えられます。
過蓋咬合の矯正治療法は?
着脱が可能な可撤式矯正装置や固定式の装置、あるいはこれらを併用して行います。これらにより前歯や臼歯の垂直的な関係を改善し,併せてこれから交換し完成してくる永久歯列弓の垂直的関係の改善を目指します。また、上下顎関係に不正が認められる場合には、顎の成長を利用して不正な上下顎関係の改善を目指します。